プロジェクトについて
震災10年の知と未来事業について
東北大学は、震災直後の2011年4月に「災害復興新生研究機構」を立ち上げました。
以来、その多様な学知と人材力を活かし、災害科学や地域医療、環境エネルギー、廃炉等、さまざまな震災復興の取組を展開してきました。それは、震災で得られた知や経験、教訓を社会へ還元することが、あの未曽有の大災害を経験した唯一の総合大学として果たすべき役割であり、社会にできるひとつの恩返しであると考えたからです。
震災とその復興による経験と知は、今後私たちが生きていく世界にどう活かすことができるでしょうか。
あらゆる存在が共通の地で、ともに生きる社会とは、どうあるべきでしょうか。
東日本大震災から、今日までいただいた多くの支援への感謝を胸に、皆様と一緒に考えていきます。
未来をともに生きる4つのテーマ
東日本大震災から始まった様々な活動は、あらゆるものと「ともに生きる」社会を創り上げていくことへつながっています。
「震災10年の知と未来事業」では、そうしたこれまでの活動を4つのテーマに分類し、様々な取組を実施していきます。
いのちと生きる
東日本大震災をはじめ、私たちはこれまでに様々な災害に直面してきましたが、その度に多くの人々がともに支え合い、協力し合いながら困難を乗り越えてきました。そうした経験は私たちに、人をはじめあらゆるいのちと寄り添って生きることの大切さを改めて気づかせてくれます。これから先の未来で再び困難にぶつかるようなとき、「いのちと生きる」私たちが、力を合わせてできることは何でしょうか。
地域と生きる
東日本大震災からの復興活動における大きなテーマの1つは、地域におけるコミュニティの再生や地域産業の再興でした。そこで働き、生きる私たちの暮らしというのは、地域という土台なくしては成り立ちません。自らの暮らす地域の人、もの、産業に寄り添い、「地域と生きる」私たちは、これからどんな地域社会を目指していくのでしょうか。
災害と生きる
地震、津波、台風、洪水、噴火、感染症など、私たちは日々さまざまな災害と隣り合わせで生活しています。そしてそれらの災害は、残念ながら今日の技術では完全に防ぐことはできません。自然に向き合い、「災害と生きる」ことを覚悟した私たちに必要なのは、どんな生きる力でしょうか。
探究と生きる
東日本大震災は私たちに大きな被害をもたらしましたが、それと同時に、そこからたくさんの知と新たな技術が生まれました。震災復興は単なる現状回復のための取組ではなく、より豊かで安全な未来社会を目指す挑戦でもあります。新たな時代を探究し続ける私たちは、この先の未来にどんな夢を描けるでしょうか。
東北大学は、被災地域の中心にある総合大学として、東日本大震災直後の2011年4月に災害復興新生研究機構を設立しました。以来、災害科学や地域医療等の8つの重点プロジェクトと、教職員が自発的に取り組む100以上の復興支援プロジェクト(復興アクション100⁺)をはじめとし、さまざまな復興活動に全学を挙げて取り組んできました。それらの活動を通して培った私たちの「10年の知」は、震災復興の枠組みを越えて、その先にある新たな未来の創造へと向かっています。
東北大学災害復興新生研究機構
http://www.idrrr.tohoku.ac.jp/